効率的に沖に出る(ゲッティングアウト)する方法を考える
サーフィンをする上で避けて通れないのが「沖に出る」ということ。いわゆるゲッティングアウトです。当たり前ですが、これをしないことには、波に乗れる場所まで辿り着けません。しかしこのゲッティングアウト、初心者を悩ませる大きな壁であることも事実です。
ですので、サーフィンを楽しむためにいかに効率的に「沖に出る」か、考えたいと思います。
どのコースをパドリングするか
上の絵を見てください。白い線は波がブレイクしていることを表しています。赤い点がテイクオフするポイント、つまりゲッティングアウトのゴールです。ここにたどり着くには波を掻い潜って最短距離を進むAコースと、波がブレイクしていない比較的穏やかな水面を進むBコースがあります。初心者がとるべきコースはどちらでしょうか?
明らかにBコースですね。
Aコースを進んだ場合、この絵では5回も波を潜らなければなりません。ドルフィンスルーやプッシングスルー(後に説明しますね)を駆使して上手に潜れれば良いですが、それでもある程度は波に押し戻されながらになります。またドルフィンスルーやプッシングスルーは それなりに体力を使いますので、ゴールに辿り着いた時には息が上がってる、なんてことにもなります。
Bコースを進む場合はどうでしょうか。パドリングの距離こそ長いものの穏やかな水面を進むので非常に楽に辿り着けます。また穏やかな水面を進む副次的な効果として、どのようにパドリングをすれば進みやすいのか試すことが出来ます。これはとても大事なことで、ボードへの体重の掛け方、腕の動かし方、掌での水の掴み方など、試行錯誤を繰り返すチャンスです。
パドリングのコースは急がば回れ、これをよく覚えていてください。
それでも波が来たらどうするか
いくら穏やかなBコースを進んでいても、波をかぶることはあります。と言うか、初心者さんが練習するビーチブレイクでは波の割れ方が不規則なので、どれだけ迂回しようと波はかぶります。その時にどう対処するかを説明します。
ドルフィンスルー
またの名をダックダイブと言います。ボードごと波の中に潜り込んで、波のインパクトを回避する方法です。
ちょっとヒドい絵が続きますが勘弁してください。
ドルフィンスルーは波を潜り抜ける方法として技術的には難しい部類に入りますが、波のインパクトを受けにくい方法です。
しかしこの方法の弱点は「浮力のある板では難しい」ことにあります。板に浮力があると、沈めにくいんですね、当たり前ですが。初心者さんの板はパドリングや安定性を重視して浮力を持たせていることがほとんどですので、この方法はあまりオススメしません。
プッシングスルー
浮力のあるファンボードやロングボードで多用される方法です。初心者さんにはこの方法をオススメします。
ポイントは以下の通りです。
・両手でボードをぐっと押さえて波の中に差し込む
・利き足でボードをぐっと押さえ込む
・体とボードの間に波を通してあげるイメージ
あまり波のサイズが大きいとプッシングスルーも難しいのですが、初心者さんが入るサイズ(ヒザ~腹くらい)では十分に使えます。
まずはプッシングスルーの習得を頑張ってみてください。
セットの合間を狙って沖に出る
後は沖に漕ぎ出すタイミングなのですが、セットの合間を見計らってパドリングを開始しましょう。波は常に一定ではなく、強い波が何回か連続して押し寄せる時間(これをセットと言います)と、比較的弱い波しか来ない時間があります。セットからセットの間隔はその時々によって変わりますがおおよそ10分から15分程度と思っていてください。このセットの間隔を狙って沖に出ると、途中で強い波を食らうことなく出ることが出来ますのでオススメです。
まとめ
初心者が効率よくゲッティングアウトするには、まずコースが重要であることをお伝えしました。出来るだけ穏やかな水面を進んでください。
どうしても波を食らいそうになったらプッシングスルーでやり過ごしてください。非常に有用な技術なのでぜひとも習得して欲しいところです。
また、ゲッティングアウトはセットとセットの間の波の弱いタイミングを狙いましょう。
どうでしたか?サーフィンの時間のほとんどはゲッティングアウトと波待ちです。ですので、いかに効率よく沖に出られるかで、波に乗れる本数も変わってきます。たくさんの波に乗って楽しいサーフィンをしてくださいね。